椎間板ヘルニア

坐骨椎間板ヘルニアとは、脊椎の椎骨と呼ばれる骨と骨の間にある椎間板というクッションの中身が、後ろ側の脊髄の側に飛び出してくることで神経を圧迫して起きる症状です。
 
主な症状としては、腰の痛みのほかに、太ももの裏~ふくらはぎ~足の裏に至るしびれ、主に膝下から足部にかけて起きる足の感覚の異常(鈍麻・異常感覚)などがあります。
 
さらに重症化してくると、下肢の筋力低下や感覚麻痺、膀胱直腸障害による失禁まで呈するケースもあります。
 
椎間板ヘルニアの治療というと、手術を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は手術が適用されるケースはそれほど多くはありません。
 
手術は重症なケース(麻痺症状がある、失禁がある、数か月にわたって改善がない等)にのみ適用が推奨されていて、多くの人の場合は服薬やリハビリ、もしくはブロック注射による対応が選択されます。
 

ヘルニアは手術で良くなるのか?

さてこの手術ですが、実はそれほど治療成績は良くない、という報告もあるのをご存知でしょうか。
 
調査によってまちまちなのですが、最も良い報告で2割ほど、良くない報告では5割以上もの患者さんが改善しなかったという調査結果が出ているのです。
 
また、腰痛を持っていない人を対象にMRIでヘルニアの有無を確認したところ、7割以上の人にヘルニアが見つかったという調査結果もあり、ヘルニアの存在と痛み等の症状には必ずしも関連があるわけではないことが示唆されています。
 
椎間板ヘルニアは脊椎の間の椎間板から中身が飛び出て圧迫することで起きる症状ですので、手術で飛び出た部分をとってしまえば痛みは軽くなりそうなものですが、実際には関連が薄いことも多いというのは、いささか驚く話です。
 
実は院長の知人にも3人ほどヘルニアを患った人がいるのですが、手術を受けて完全に良くなったのは1人だけで、後の1人は一時的に良くなったものの仕事に復帰したら痛みが再発し、もう1人は手術の後も痛みはあまり良くならず結局コルセット頼みになってしまいました。
 
当院にもこのような方が訪れることがあります。
 

椎間板ヘルニアの原因

当院では、椎間板ヘルニアで椎間板の中身が出てくる原因、身体のメカニズムこそが重要なのではないかと考えます。
 
椎間板の外周は平たい楕円形の繊維輪という輪っかのような構造があり、内側にゲル状の髄核という物質が存在します。
 
椎間板ヘルニアでは、外側の繊維輪が内側から避けるように亀裂が入っていき、やがてその亀裂が外周にまで広がったときに中身の髄核が飛び出してきます。
 
このことから、外周の繊維輪が破れるのは内側からの圧力によるものだと考えられます。
 
ヘルニアの原因は椎間板内側からの圧力である、ということを示すかのように、ヘルニアに掛かりやすい職業として、長時間運転を行うドライバー・長時間のデスクワーカー・中腰になることの多い職業が挙げられています。
 
実は椎間板というのは、まっすぐに立っているときよりも、座っているときや体を前に傾けたときの方が強い圧力が掛かるようになっています。
まっすぐに立っているときの椎間板内の圧力を1とすると、各姿勢での椎間板内の圧力は下のようになります。
 

  • おじぎ(前傾)…1.5倍
  • 椅子にまっすぐ座った状態…1.4倍
  • 前傾で物を持った場合…2.2倍
  • 前傾気味に座った状態…1.8~1.9倍

 
こうしてみると、長時間座りっぱなしの仕事や中腰で抱えることが多い仕事が、どれほど椎間板に圧力をかけているのかが分かります。
 

椎間板ヘルニア、どうすれば改善を追及できるのか?

特徴2さて、それではヘルニアに対してどのように対処したらよいのでしょうか。
 
上の方で、椎間板の中身が出てくる身体のメカニズムが重要である、と書きました。
 
そしてそのメカニズムとは、体を前方に屈した状態、すなわちおじぎや猫背に近い状態ではないかと考えられます。
 
このような姿勢では椎間板だけでなく、身体を屈する動きに対して起こす方の筋肉の負担が常に大きい状態になり、容易にオーバーユースになってしまいます。
 
オーバーユースになった筋肉は、疲労物質の蓄積や内圧の過剰な上昇等によって、筋由来の自発的な痛みを起こしやすくなります。
 
また、身体を屈する状態が長く続くと、身体を屈する方向の筋肉は短縮し伸びづらくなってしまいます。
 
このように伸びづらくなった筋は、そうではない筋と比べて小さな刺激でも過剰に収縮したり伸ばされる刺激に対する痛みが出やすくなったり、関節の動きを阻害しやすくなります。
 
これらの身体に起きる変化の結果、筋肉や関節へのストレスが高まり、痛みへとつながるのではないかと考えています。
 
こうした状態に対して、当院ではまず何よりも正しい姿勢へと戻すことを第一に進めていきます。
 
具体的には猫背の原因となる筋肉の調整と再教育を行うとともに、身体を伸ばしやすくするための動作指導などを行います。
 
また、長期間の不良姿勢で固まってしまった筋肉や関節を手技によって緩め、その状態を定着させるためのストレッチなどの指導も併せて行っていきます。
 
当院のケースでは、概ね10回~15回ほどの来院で安定化される方が多いようです。
 

整体と病院、どちらを利用すべきなのか?

誤解していただきたくないのは、病院よりも整体を優先して欲しい、ということではないということです。
 
ヘルニアはMRIなどの精密検査をもって確定する疾患です。
 
そして神経の圧迫が過剰になり、麻痺や失禁などの症状が出ている場合には手術以外の選択を優先させると、状態が悪化することも考えられます。
あくまで当院のアプローチは、病院以外の視点からの補完的立ち位置にあると思います。
 
まずは病院での診断や治療を受けて、その結果にご満足いただけないとなったときは、別の視点からのアプローチとして、ぜひ当院にお問い合わせいただければと思います。
 
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
 

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