痛みとストレス・情動の関係

八千代市八千代緑が丘のみなさま、こんにちは!八千代緑が丘の整体院ルピナス治療院です。
 
痛みを感じていらっしゃる方のなかには、精神的なストレスで症状が悪化してしまう人もいらっしゃいます。
 
仕事やプライベートでトラブルがあったとき、あるいはプレッシャーのかかる場面に遭遇したときに、いつも困っている症状をより強く感じてしまうことがあるようです。
 
また痛みが慢性化して、いつも痛みにおびえたり、痛みのせいでうまくいかないことを気に病んで、それがストレスとなって痛みが悪化してしまうというループに陥ってしまう方もいます。
 
痛みとストレスとの関係は、患者さんや治療に関わる者のあいだでは、昔から何となく意識されていることではあります。
 
個人的にはあまり好きな物言いではありませんが、以前病院や施設で働いていたときに、よく「あの人の痛みは精神的なものから来るもので、プラトー(症状が固定した状態)だから、改善しないのも仕方がない」という言葉を何度も耳にしました。
 
また、患者さんからも「この痛みは気持ちが弱いから起きているのでしょうね。自分ではどうにかしたいと思っているのですが・・・」と言われたこともあります。
 
私は原則として、痛みの原因はあくまで構造的・物理的な身体機能の異常とそれに対する感覚認知の応答を念頭に置くべきであり、理学療法士として安易に精神面の影響を考慮すべきではない、と考えています。
 
しかしながら、痛みというものに対しての解決策を模索する中では、精神面と疼痛の認知という関係性は決して無視できないものであるのも事実です。
 
そこで今回は、ストレスと痛みにはどんな関係があるのかを考えてみようと思います。
 

痛みとストレスに関係はあるのか

痛みの解決を模索してきたペインクリニック・疼痛外来に携わる方々の中では、以前から痛みと情動の関係についての研究がなされていました。
 
こうした研究では、脳の領域と疼痛の認知に関係を見い出してきたようです。
 
体にとって強いストレスや恐怖を感じる痛みは、情動(心理的要因)により強く感化され、過去の辛い記憶や、痛みの記憶が疼痛を増悪させると言われています。
 
痛みを認知する脳内に目を向けますと、痛みが複雑化、慢性化すると、過去の情動記憶が存在する脳の後方の一部(紡錘状回)が活性化し、長い疼痛感覚が出現すると言われています。
 
また、痛みとストレスの大脳内での認知の経路はオーバーラップしていて(前帯状回・島皮質・前頭前皮質)、これらの領域の興奮は中脳中心灰白質・吻側延髄腹内側部などの下行性疼痛調節系を介して脊髄に伝わり、慢性痛の維持・増強に働きかけるという研究結果も報告されています。
 
簡単に言えば、痛み刺激が脳に入ると情動・記憶・認知などを司る脳の領域を刺激し、身体の器質的な異常の有無や程度に関わらず、脳の中で自動的に痛みが認識されたり強まったりする恐れがある、ということです。
 
さらに、痛みの長期化や生活上のトラブルが長引くことで長期に渡る環境的ストレス・心理的ストレスに対する適応が難しくなると、脳内セロトニン、ドーパミンが減少し、紡錘状回の情動記憶、情動体験が掘り起こされ、関節や筋・骨には異常が無いのに、複雑な径路を経て慢性疼痛が出現するとも言われています。
 
(ドーパミンは脳内で疼痛中和物質であるエンドルフィンに合成され、一方のセロトニンは分泌されると疼痛に対する不安感を消失させます)
 
つまり、長期化した痛みやストレスは脳の分泌にも異常をきたし、痛みの認知の緩和やストレスの緩和といった脳内での対応も低下してしまい、より痛みを認識しやすくなってしまうということです。
 
これらの痛みや病態は、画像や血液検査で異常が見つかりにくい上に、痛む場所が一定ではなく移動するという特徴があり、解剖学・生理学的に説明が困難であるため、医療機関に受診しても原因不明と診断されるケースが少なくありません。
 
自身の痛みを原因不明として対応されると、患者さんは不安やストレスを感じてしまい、上記の脳内のメカニズムによりさらに症状が悪化・長期化することが懸念されます。

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