ストレートネックについて①

先日ストレートネックでかなり長い期間にわたって悩まれてきた患者様を見る機会がありました。
 
この患者様は病院でストレートネックの診断を受け、その後電気治療や首周辺の筋力強化などの治療や指導を受けてこられたのですが、さして変化もなく、どう対処してよいか分からず当院に辿り着かれたということでした。
 
ストレートネックはよくその名前を耳にする比較的メジャーな症状ですが、その原因や対処法については意外に知られていないように思います。
 
そこで今回は、ストレートネックについて考えてみようと思います。
 

ストレートネックって何?

ストレートネックとは、首を構成する骨である頚椎の並びが、文字通り直線的な配列になってしまう状態を指します。
 
本来頚椎は身体正面方向へ突き出るように緩やかなカーブを描いているのですが、ストレートネックではこのカーブが無くなってしまい、横から見ると前方へ直線が傾いた状態になります。(下図参照)
 
ストレートネック
 
この状態になってしまうと、とにかく肩こりや首の痛みに悩まされるほか、頭痛や眼精疲労も起きやすくなってしまいます。
 
ストレートネックでは、身体を側面から見たときに本来かかとから伸びる重心線上に乗っているべき頭部や肩が前方に偏ってしまうことにより、頭部や肩(上肢)を支える筋群に過剰な負担が掛かることになります。
 
当然頭部や上肢を支えている首や肩の筋群は過剰に緊張することになり、いわゆる”コリ”を発症します。
 
そして”コリ”状態になった筋群は、疲労物質による痛みを発するだけでなく、頭部や頸部に分布する神経を締め付けて、神経の支配領域での痛みを発することになります。
 
以前記事で述べた「緊張性頭痛」のメカニズムですね。
 
また、頸部の筋群は頭部や顔面の筋群と手をつなぎ、目出し帽をかぶるように頭部・顔面を覆いますので、首の筋群の緊張に引っ張られる形でこれらの筋群も緊張を増し、コリや痛みを発することになります。
 

ストレートネックは、なぜ起こる?

は、なぜストレートネックになってしまうのでしょうか。それには脊椎の動きのメカニズムと姿勢との関連を知る必要があります。
 
脊椎は正常な状態では、下の図にあるように首(頚椎)~背中(胸椎)~腰(腰椎)と、交互に方向を入れ替えるようにカーブを描く構造をしています。
 
ストレートネック
 
なぜこのような構造になっているかというと、非常に重い頭部を支えるのにこの方が都合がよいからです。
 
一般的な成人の頭部の重さは平均的な体重の約10%と言われています。
 
成人の平均体重は、男性が60kg後半、女性が50kg前半ですから、平均的な頭部の重さは凡そ5~6kgということになります。
 
ちなみにボウリングでも適正なボールの重さは体重の約10%と言われていますので、首の上にいかに重い物体が乗っているのかが想像できると思います。
 
対する頚椎の太さですが、当院にある原寸大脊椎模型を測ったところ、関節部を除いた本体とも言うべき椎体部は前後径が2.5cmで左右径が3cmくらいでした。
 
頭部の重さに対して支える頚椎の太さは頼りないくらいです。
 
頚椎は7つの小さな骨が連なっていますので、構造的にも非常に不安定であると言えます。
 
この力学的に不利な構造を支える仕組みとして、脊椎のカーブがあるのです。
 
頭部の重量が重力に従い真下に落ちるならば、何箇所かの曲がりを作って、そこで分散して支えよう、ということです。
 
つまり脊椎全体をひとつのスプリングとして機能させて、頭部の重みを支えていることになります。
 
一方で、脊椎は小さな椎骨が多数積み重なった構造になっていますので、上方あるいは下方の椎骨に動きが生じると、連鎖的にその動きは上方・下方へと次々と隣接する椎骨に伝わり、脊椎全体の位置・姿勢を変化させてしまいます。
 
ですから、脊椎の両端にある骨盤や頭部の位置・角度により、容易に脊椎はその形態を変化させてしまうのです。
 
つまり、骨盤の問題が生じている、頭部の角度や位置が正常でないことで、脊椎の形態が変化して、ストレートネックに繋がっていくのです。
 
現代人にストレートネックが多い理由は、デスクワークや携帯電話を使う事が多く、頭部の位置がずれている、座りすぎて骨盤がズレている、などが考えられるのです。
 
それでは、ストレートネックをどのように対処していければ良いかというと… それはまた次回に!

連絡先

連絡先