坐骨神経痛は坐骨の神経の症状ではないかも?

※今回は少し汚い話(おトイレの話)が入りますので、ご注意ください。
 
先日、病院で坐骨神経痛だと診断された患者さんが同じ日に続けていらっしゃいました。
 
開業していると奇妙なことに、同じような状況で悪くして、同じように改善する方が続くことがあるのだなあ、と思います。
 
少しオカルチックな方向に話が逸れましたが、以前から坐骨神経痛と言われている方の症状についてちょっと気になることがあったので、忘備録として記事にしようと思います。
 

坐骨神経痛って何?

一般的に坐骨神経痛といえば、お尻から下肢の後面の痛みや痺れを思い浮かべる方も多いと思います。
 
解剖学的に坐骨神経を見てみると、仙骨神経叢から臀部を通り、太ももの裏を下行して、ひざ裏のやや上の方で2本に分かれてすねとふくらはぎへと伸びていきます。
 
坐骨神経痛は骨盤から出る際に梨状筋という筋肉の下を通りますが、この梨状筋が緊張することで神経の圧迫を生じることが主な原因と言われています。
 
実際坐骨神経は臀部から大腿後面を通るので、痛みの出方としては辻褄が合います。
 
ですからMRIなどでヘルニアが見つからなければ、坐骨神経痛の診断が出されることも少なくありません。
 
ですが、ここであえて経験に照らし合わせて違う見方を提示してみたいと思います。
 

坐骨神経痛ではないかもしれない?

少し汚い話で申し訳ないのですが、以前トイレに入っているときに便座が上がっているのに気付かずに用を足したことが何度かありました。
 
このとき用を足して立ち上がろうとすると、下腿の下半分から足の裏・甲にジーンと痺れが来たのです。
 
便座が上がっていたので、私のお尻は便器の縁に挟まるように嵌まっていました。
 
ですから、ちょうど坐骨神経が骨盤から出てくる位置で圧迫することになっていたのです。
 
ですが、症状が出たのはお尻や太ももではなくすねやふくらはぎ、もしくは足の甲や裏といった、ずいぶん下の方でした。
 
一概には言えないのですが、神経を刺激したときは、遠位の方が強く症状が出ることも珍しくありません。
 
例えば肘をぶつけたときに腕よりも手の方が強く感じたりすることがあります。
 
何が言いたいかというと、坐骨神経の圧迫と臀部・大腿部後面の症状は、必ずしも関連付けられるものではないのではないか、ということです。
 

坐骨神経痛の患者様の途中経過

さらに今回の患者さんの施術の経過を挙げてみます。
 
今回2名立て続けに、臀部から太もも裏の症状に悩んでいて病院では坐骨神経痛と診断された患者様を診させていただきましたが、改善のキーは梨状筋ではありませんでした。
 
どこかといいますと、腓腹筋。ふくらはぎの筋肉でした。
 
治療の中で印象的であったのが、ふくらはぎの施術の前にすねの筋肉(前脛骨筋)をリリースしたところ、逆に臀部から太もも裏の症状が強くなっとことでした。
 
先に述べた通り、坐骨神経は臀部から太ももの裏を通過する神経です。
 
すねの筋肉である前脛骨筋とは、解剖学の位置的にはなんの関係もありません。
 
いったいどういうことなんでしょうか。
 
ここで私の仮説をあげてみたいともいます。
 

坐骨神経痛に関する仮説

今回施術させていただいたお2人の患者さんは、坐骨神経そのものは異常はなく、太ももの裏の筋肉であるハムストリングスの異常、もしくは梨状筋の故障だが坐骨神経には影響がなかった、ということではないでしょうか。
 
ハムストリングスと梨状筋は、どちらもトリガーポイントが発生すると、臀部の下方から太ももの裏側に痛みを発するようになります。
 
まさに坐骨神経痛のでいやな症状が出る位置です。
 
そして、ハムストリングスはアナトミートレインでいうところの浅後線に属し、ふくらはぎの筋肉と連結性を持っています。
 
上ですねの筋肉(前脛骨筋)を緩めると痛みが強くなった、と述べましたが、これはふくらはぎの筋肉と拮抗関係にあるすねの筋肉が緩んだことで支えがなくなり、反対側とのバランスが崩れ、却ってふくらはぎの筋肉の緊張が高まってしまったと考えられます。
 
そして、ふくらはぎの筋肉の緊張は連結性を持つ腿裏の筋肉に波及し、臀部から腿裏の痛みを引き起こしたのだはないかと推察します。
 
また、ハムストリングスとの関係の深い梨状筋を始めとした臀部の筋群も過緊張に陥っていたのではないかと思います。
 
まとめますと、
 
梨状筋の異常は症状の原因に内包されてはいるものの、異常発生のメカニズムとしては坐骨神経ではなく、下肢の下部の筋群の連鎖的な影響であったというケースもあり得る、ということになります。
 
坐骨神経痛と言われて長期間異常が改善しない方は、こうした点を踏まえてケアをしていただくといいかもしれません。

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